バングラデシュ ダッカ一番長い日
バングラデシュ 10月15日 ダッカ一番長い日
今日はわが社の社長の帰国を明日に控え出張時の案件をかたずける最後の一日と成った。
朝からお客様と近隣の2工場の視察(1社はローカルの小規模プリント工場、もう1社はローカルの中規模ニット工場)、今後わが社とシップ業務をタイアップする日系物流企業を訪問し
その後デニム製品に関連する副資材業者との打ち合わせ及び発注をこなした。
その後わが社のもう一つの協力工場への訪問(この会社のオーナー夫妻が約2週間の商売と観光を兼ねた欧州旅行に出かける為に表敬訪問をした)とあわただしく過ごして、やっとアパートに着いた時には、すでに夕方6:30分と成っしまっていた。
しかし今日の仕事がこれで終わった訳ではない。今回の出張で最も重要なわが社のメイン協力工場とのサンプル及び本生産の詰めがまだ終わっていなかったのだ。
当初8時くらいから始める予定の協議も工場側のサンプル作りの遅れで、実際打ち合わせを始める事が出来たのは夜の11時に成ってからだ。
責任感の強い協力工場オーナーが当社が必要とする物を必死に成って用意してくれていた
為だ。当然社長と私達は、この時間からの商談が直ぐに終わるはずは無いと覚悟はしていたが
この予期せぬ出来事に協力工場オーナーとわれわれ5人はまったく準備無しで共に一夜を過ごす事と成ってしまった。
わがアパートの窓辺に朝日が差し込む時間になってようやく私達の交渉は一区切りがつき
ひと時の眠りの時間を得た。時間は早朝6時半
それでも9時には起きて昨日の打ち合わせの最後の詰めの続きを行い、10時半から社長一向の見送りの為にこのオーナーと共に空港に向かった。
なぜこのオーナーが見送りに来てくれたのか?
実はこの工場に依頼したサンプルの内2点がどうしても昨夜間に合わなかった為に、スタッフが徹夜でサンプル作りを行い空港に持参してくれたのである。
午後1時過ぎ社長とお客様を乗せた飛行機は無事日本に向かって飛び立った。
正直に言うと
眠たい目をこすりこすり社長一向を見送った私、工場オーナー、通訳A君、届けてくれた工場スタッフの4名の心の中に、わずかな安堵感と台風一過と言う感慨が湧き上がったのは言うまでもない。
日本とバングラデシュの双方でそれぞれが懸命に仕事に取り組み、まるで火花を
散らすようにして協力し合う中で、離れていても心通じる何かが生まれれ
将来の大輪のつぼみに成らん事を心から願うこの一週間だった。
それにしても長い長いダッカの一日だった。
明日からはこんな感傷に浸っている時間は無い!ひたすらデニムサンプルの仕上げに向かって
進むのみだ。
㈱わんピース プロダクトマネージャー 小山