バングラデシュ 阿吽の呼吸…ちょっと足りない関係
10月2日
今日は当社の新入社員A君との同居生活開始2日目である。
今までも仕事を通じて私のアパートに出入りしており、共に行動をしながら
協力工場2社との間で交渉事に関わってもらったので、ある程度は彼の気質や
仕事への取り組み方などは理解しているつもりである。
但し、ここは何と言ってもバングラデシュ、気候や国土環境が全く日本とは違う
国なので、当然そこに住む国民気質も日本とは全く違う
当年とって25才になる彼だが、日本の若者と比較しても、実に
心優しく、誠実な性格をしている。仕事を離れた知人或いは友人として接するならば
私はこの青年に特別二重丸を進呈したいくらい、好人物である。
でも一端仕事の仲間としてせっする時、その評価は一変する。
仕事の進め方が日本人とまったく違う為だ。
約束が約束ではない事、指示した内容に優先順位をつけるのが不得手な事
事前準備が不足している為に、仕事先で効率的な動きが出来にくい事
何事にも掘り下げて確認する事が無い為にあまり考えもせず簡単にOKと言う返事で
返してくる事…などなどである。
先日も、指示した内容に対して、あまりにもとんちんかんな返事が返ってきて
しかも、それを注意すると英語で『わかったわかった』と軽い返事をするので
怒鳴りつけたい衝動を抑えながら、グーグル通訳を使いながら彼と応答を試みた。
と言うか、今の語学能力ゼロの私にはこの方法しか彼と会話をする方法が無い。
もし私が英語に堪能か、もしくは彼が日本語が出来たならば
『なに考えとんねん君は!何回も言わすなよ!』と関西弁でまくしたてたところだが
コンピューター翻訳のグーグルA君が間に立つので、当然そんな言葉は理解できない。
従って私がグーグルA君に対して書きつける言葉は『あなたはこの仕事についてどういう考えを持っていますか?』 とぐっと丁寧でソフトな表現にならざる負えない。
その時のA君の反応と回答は、幾分申し訳なさそうな表情で『わかってます!わかってます!』
と来る。それを聞いた私は、又怒りがこみ上げてきて『君が分かってないから今話をしとんねん!』
『理解もしとらんのに、簡単に分かったなんて言うて ええかげんにせいよ!』と言いたいところだがグーグルA君に書くのは『あなたは私の話を正確に理解する必要が有ります。』『もし理解出来ない時は必ず質問してください』…と思ってもいない内容を書く事になる。
私が日本語を英語に翻訳してもらって、彼は英語を日本語に翻訳してもらいながら
このような会話を進めて行く事になるのだが、運がわるいとこの会話の最中に停電で
コンピューターはOFF!
N~まったく根気の要る会話と生活を送っている。
但し念の為に若干補足説明をしておくと、彼は決して能力が無いのでは無い。
この地の貧しい少年達に半分ボランティアで英語を教えているくらいのインテリである。
誠実で温和で物静かな好青年である事は多くの人が認める人物である。
今二人が携わっている、アパレル製品の生産管理、品質管理に30年以上携わってきた
私とまったく経験の無い彼との間に、仕事に対する取り組み方に違いが有るのは
むしろ当然の事である。しかもこの国の人々の気質も日本人や他の国の人とも大きく違う
それを考えると、私と彼との間にグーグルA君と言うコンピューター通訳君が居て
ちょうど良いのかも知れない。ちょっとばかしストレスは溜まるが……..
今はタイトルの様に阿吽の呼吸とは行かないが、根気つよい交流を続けていく中でいつかは
阿吽の呼吸で仕事が出来るように共に進化したいと願う今日頃頃である。
㈱わんピース プロダクトマネージャー 小山
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