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バングラデシュ NGOの実態

2011年10月7日

バングラデシュで生活している中で、何人かの日本人の方に会う機会が有った。

ダッカ市内の郵便局で当地から中国上海向けとオーストラリア向けのサンプルをEMS発送手続きをしている時、偶然に通りかかった2人のJica活動員の方々

一人は現地での教育指導の為に、もう一人の方は農業指導と言う話だった

お二人とも、さわやかな印象の青年で、お互いの境遇を語り合って

又の再会を誓った。

もう一人はわが社が生産委託しているレザーパンツの出荷前検査で訪れた工場オフィスで

偶然出合った。うら若き女性の方

聞けばJicaの仕事の傍らレザーバックや財布のサイドビジネスをしている東大出のお嬢さんらしい

詳しい話は出来なかったが、製品サンプルの打ち合わせ時に私が訪問したと言うシチュエーションだ。

一瞬jicaで派遣された人がこんなサイドビジネスを行っていいのだろうか?

と言う疑問が頭をもたげたが、簡単な挨拶をしたのみで詳しい話をする時間は無かった。

またこんな方も居る、もう何年か当地に滞在しアパレル方面の日本企業のコンサルや

現地の工場開拓等をされている中年の男性、実にひょうひょうとした方で、このバングラデシュの

厳しい環境の中でもたくましく仕事に取り組んでいる方だ。

そして私が強烈な印象を持ったもう一人の日本人

この方とは当社が依頼された現地のとある会社経営者との会見の為に訪問した

事務所近くのホテルでお会いした。

わが社はこのバングラデシュでデニムパンツの小ロット生産を委託管理する会社であると同時に

他にも日本企業と現地事業者とを結ぶコンサル業も行っている為に、このように日本人の方と

お会いするチャンスが多いと言えるが、私に強烈な印象を与えたその日本人は

日本の会社に依頼されて初期商談を行う為にバングラデシュを訪れた方だった。

一通りの会談が終了した後、その方が放った一つの質問に私は愕然とした。

詳しい内容は避けるが、驚いた私が改めてその方の名刺をみると

アジアの他の地域でも種々のNGO活動をされていると言う

しかしその方が私たちにむけて質問した内容はおよそNGO活動で献身的にアジアの為に

つくしている人とは到底思えないような、低俗な質問だった。

おりしも日本ではインターネットを通じてフィリッピンの太平洋戦争で残された遺骨収集をめぐっての日本NGO組織に対する疑惑が報道されている真っ最中である。

ニュースでは数年前までは年間わずか40体くらいしか発見できなかった遺骨が或るNGO団体が関与し始めて急激にその収集数を伸ばしているが、実はその中にフィリピンのお墓から盗掘された現地人の方の遺骨や、とても数十年前の骨とは思えないような新しい骨が混じっており

NGOの活動に疑惑が高まっていると言う報道だった。

私自身このバングラデシュに来て仕事をする事で生活の糧を得ているわけなので

えらそうな事を言える立場ではないのは承知しているが、ここでお会いした日本人の非常識な

発言と言い、フィリピンで日本政府の依頼に依って行っている遺骨収集と言う厳粛な仕事に対してそれを利用して不正を行っている日本人には、驚きを通り越して怒りさえ覚える。

これぞ誠の偽善者であると公言しているものだ。

NGOに参画しているたくさんのまじめな日本人の為にも、こういう類の日本人が

海外で逆に日本のイメージを損なう行為をしている事を思うと、本当に悲しくなってしまう。

このバングラデシュの人々は本当に日本人に親切で、日本人にたいして憧れと

ある種の尊敬の念を持っているように思える事に短い間でも何回も遭遇した。

中国でも韓国でも微妙な感情の行き違いは多少あっても、やはりアジアで初めて

欧米人と対等な地位を獲得した日本人及び、日本の経済力には一目置いているように思う

世界の水準から言うと今や裕福さを実現した日本人はやはり周囲のそうではない国の

発展や、人々の生活向上の為に共に生きると言う立場を忘れたくないものだ。

なぜならば敗戦後世界でも類を見ない急速な発展を実現できた影には取り巻く国々の

分断や混乱や内戦に依って発生した経済需要が大きく寄与しているのだから!

今を生きる日本人はその事を決して忘れてはいけない。…..

と自分にも言い聞かせている

 

㈱わんピース  プロダクトマネージャー  小山

 

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