バングラデシュ ペイフォードの毎日
バングラデシュ 決まり文句 10月8日
バングラデシュの人々がとても親切でやさしく接してくれる事は今までも何回もこの記事で取り上げたが、この地の人々が初対面の私に向ける決まり文句のようなものに気づいた。
先日も一人でバングラデシュでも最も大きい動物園に言った際に
まったく違う人から同じ問いかけをされた。
その内容はこうだ。
一見して私が外国人だと言う事が分かるせいか、瞳が合うとまず『あなたはどこから来たの?』
と聞いてくる 私が言葉をさがしていると、次に『中国人?』更に『韓国人』と来る
この動物園ではなんと4回も同じ様な問いかけを受けた。
そして面白いことに私が自らを『日本人です』もしくは『日本から来ました』と言うと
今までの表情が一変して、とたんににこやかに成って自分の両手をしっかり組みながら
『バングラデシュ ジャパン』を連呼してくれる
相好が崩れるとはこんな時の事を言うような、フレンドリーな表情なのは、言葉の話せない
私でも充分に受け取る事は出来る。
おそらくその意味するものは、自国と日本は仲が良い 或いは日本人とバングラデシュ人は友達だと言う意味だと思う
そして言葉掛けや態度はそれぞれ違うが、本当に親切に色々な事を教えてくれたり、道を譲ってくれたりしてくれる
おそらくこの国の独立以来、今までに日本がODAの一環として多くの援助をしている事もその一因であろうが
同時に海外援助隊等の活動で日々接する日本人の印象がとても良いからに違いない
政府の活動だけでは、このような市民揚げてのフレンドリーな親切を受け取る事はできないのでは無いだろうか?
日本でも江戸時代から市井の人々の中で生きづいていた『恩かえし』
そして近年アメリカー映画で取り上げられた『ペイフォアード』
共に受けた親切を別の人にお返しをすると言う行為の事だそうだが
私はまさにそのペイフォアードをこのバングラデシュで毎日のように受け取っている。
ならば当然私自身もどなたかにお返しをしなくては成らないと思っている。
そういえば、私が乗ったバスのボコボコにへこんだボディには大きな文字で
余談だが私がこの言葉を始めて知ったのは
《コレアンドライバーはパリで眠らない》と言う著書を読んだ時だった。
この中で著者の洪世和氏がパリでの経験の中でフランスには昔から
toleranceと言う思考がある、それは多国籍移住者のもっとも多い国フランスならではの
すぐれた思想である…と言ったような内容だった。
このトレランスを約すと許容性、寛容性とでも言う様な意味らしい。
不思議な事に、この本を日本で出版している会社があの《みすず書房》である事は
なにかの偶然であろうか
眠れぬバングラデシュの一夜、私は、バングラデシュの人々から受けた
親切をきっかけにして、孤高の吟遊詩人金子みすずまでたどりついた。
ひさびさに優しさとは何か?、人を許すとはどう言う事か?今から私はどう生きるべきか?
と言う人生での難問を今自分に向かって静かに問い掛けている。
そして私がバングラデシュ出向に際して持参してきた書物の中に
金子みすずさんの睫毛の虹と言う本が有る事を記しておきたい・
㈱わんピース プロダクトマネージャー 小山
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