report

バングラデシュ 政府への諦観

2011年9月21日

先日18日の夜、ここバングラデシュをめずらしく地震が襲った。

後日ニュースを見るとインド東北部で震源として、インドはもちろんの事、パキスタン

ネパール、チベット自治区などかなり広範囲に影響が出て、死者も今のところ63人が

記録されているという

バングラデシュのわが街でもその余韻は有り、ちょうど私がいつものベンガル料理店に

行こうとしているその最中、78階建ての近所の大工場から工員達が、ものすごい勢いで

出てきて、メインロードをあっと言う間に埋め尽くしてしまった。

皆がビル上階を見上げているものだから私はてっきり、火災と勘違いしてしまったが

翌日のニュースのその事情をやっと理解できたと言う訳だ。

地震の少ない国バングラデシュなので、その時の皆の反応と言ったら、地震に慣れている

日本人の私にとってはちょっとこっけいに思える風景だった。

反面地震に慣れっこの日本人同様、ここバングラデシュの人々は断水や停電や交通渋滞やはたまた、交通機関の遅れなどにはまったく動じない。

事実このアパートにてこの記事を書いている時でも突然の停電に見舞われ

約2時間ほどの、ろうそくロマンチックナイトが待ち受けているくらいだ。

文明の恩恵にそれほど浴していない故に、事が発生してもその影響は

日々の生活の中で分散されてると言う思いが強い。

政府の官僚や力有る政治家の間には不正が横行していると聞くが

現地の人々と話をしていると、ほとんど諦めに近い印象を強くする。

国家の成り立ちや想像を絶する貧困、自然環境、イスラム教の教えからくるものだろうか?

 

そういう事情を理解した上で、今回韓国の大停電によって引き起こされた15日の

停電世帯数212万世帯、エレベーター内に閉じ込められた人の救助要請は

2000件近くに上ったほか、工場の稼働が中断し、経済的影響も出た。

と言う大混乱を見てみると、被害を受けた韓国の人々には失礼だがまったく別の角度から

感じられる事も多い

高度と言われている先進国の一旦事あった時の停滞と混乱はとんでもない影響を

政府や国家や民衆に与えてしまうが、毎日の生活の中でそれほど高度技術の恩恵を

受けていない後進国では、不便に慣れ、時間の感覚がとてもスローな国であるが故に

低影響ですんでしまうと言う側面も見逃せないところである。

文明が高度化しテクロノジーが進むと、人間本来が持っている自分の力で物事を

行うと言った事さえ、そのテクノロジーに左右されてしまいかねない。

今日のニュースでは今回の停電が国のエネルギー担当大臣の辞職問題にも発展

しているようだが日本の原発問題にしても、世界各国で発生しているサイバーテロにしても

同様で、現代の人間が日々の便利さと引き換えに起こっている問題だと

言えなくも無いような気がするが、どうだろう?!

 

㈱わんピース  プロダクトマネージャー  小山

 

Posted in わんピース ビジネスレポート | Tagged , , , , , ,